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相続がモメたときに役立つプチ情報

 

 ネットニュースなどで、カスタネット芸人の前田けゑさんが、頼まれて血縁関係のない方の養子になったところ15億円を相続することになった話が話題となっています。

 そのニュースによると、もともと相続人候補者だった方がいてその方からの嫌がらせが起きていると紹介されており、単独で相続してもモメてしまうケースは存在するのだと改めて感じます。

 このようなケースはとてもレアですから、今回はよくありがちなケースで考えてみましょう。

 

1 こんなケースどう考えますか?

 母親(90歳)がお亡くなりになり、3人の息子が相続することになりました。母親の遺産は、土地建物(約2000万円)、預金(3000万円)です。このようなケースで、3人の息子はそれぞれ自分の主張を曲げようとせず、このままでは何年も預金を引き出せません。

 長男は、妻が病気で毎月多額の医療費を支払っているものの、貯金が底をつき、このままでは生活が成り立ちません。

 長男は、母親の遺産で何とか妻を助けたいものの、どうしたらよいかわかりません。

 

2 銀行は預金の引き出しを認めないことがある

 母親がお亡くなりになった時点で、銀行の預金は凍結され、勝手に引き出すことはできなくなります。この場合、銀行実務では、相続人全員の実印を押した払い戻し請求書と印鑑証明書、戸籍謄本類を送付することにより、お金の引出を認めてくれます。

 

 しかし、例えば長男一人で、「他の兄弟がハンコ押してくれないから、自分の分の1000万円だけでも引き出させて下さい」と言っても、応じてくれない金融機関が多いようです。

 

3 法律上は引出しを認めないといけない

 法律はどうなっているのかというと、銀行の預金は「預金債権」という金銭債権とされています。そして、これは単にお金の請求権なので、特殊な例外を除いて、相続人間で分けることができます(可分債権といいます)。

 

 そして、民法という法律では、分けられる権利は法定相続分といわれる取り分の割合に従って自動的に分ける扱いにしており、分けられる以上は分けて請求していいですよとされているのです。そのため、今回の問題では、長男は、法定相続分は3分の1ですから、自分の取り分の1000万円を銀行に請求できることになっているのです。

 

4 なぜ銀行は認めてくれないの?

 法律でそのようになっているのであれば、なぜ銀行が法律と異なる運用をしているのかきになりますよね。

 

 それは、銀行が相続人間の争いに巻き込まれたくないからだと言われています。例えば不動産のように分けられないものは遺産分割の話合いをしなくてはいけないのですが、普通は預金とセットで話し合いをするのが通常かと思います。

 その際に、一人の相続人が抜け駆け的に預金の引き出しをしてしまえば、他の相続人からすると、銀行にクレームが入ってしまう可能性があるからなのです。

 

5 治療費を捻出したい長男はどうすればいいの?

 実は、長男としては、法律が1000万円支払っていいといっているわけですから、銀行を相手に訴訟を起こすことによって比較的簡単に解決することができるのです。訴訟はあくまでも法律に基づいて判断しますので、銀行が支払いたくないと言っても通用しません。

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