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出国税導入の影響(非居住者への有価証券等の贈与)をズバリ解説!

 

本年(2015年)7月1日から、一定の富裕層を対象に、出国時に未実現のキャピタルゲイン(含み益)に対して課税を行う、いわゆる「出国税」が導入されます。

 

ここで注意が必要となるのは、出国税課税の対象となる行為には、2015年7月1日以降の出国(国外転出)だけではなく、居住者から非居住者への有価証券等の贈与、相続又は遺贈も含まれる点です。

 

具体的には、贈与、相続又は遺贈の時の時価で、保有する有価証券等の譲渡・決済があったものとみなされて贈与者等が課税を受けることになります。なお、この場合、出国(国外転出)のケースと同様に、納税猶予制度が認められています。

 

したがって、出国税の対象となる方が、非居住者への有価証券等の贈与を予定されている場合、2015年6月30日までに贈与を行うことが、贈与者に出国税が課されないため有利となります。

 

具体的な事例は次のとおりです。

 

 

AさんがX社株式をBさんに贈与する場合

 

Aさん:日本居住者、X社株式(外国上場株式)を外国金融機関口座にて保有、X社株式の評価額3億円(取得価額1億円)

Bさん:日本非居住者、Aさんの長男(40歳)

 

 

出国税は、有価証券等の時価と未決済デリバティブ取引損益の合計額が1億円以上の居住者(出国日または贈与日から遡って10年間の日本居住期間が通算5年以下である場合を除く)が対象です。ここで「有価証券等」とは、所得税法に規定する有価証券若しくは匿名組合契約の出資の持分をいいます(所得税法60の2①本文)。そして「所得税法に規定する有価証券」は、所得税法2条1項17号及び所得税法施行令4条で定められており、外国上場株式も該当します。

 

したがって、Aさんが保有するX社株式(外国上場株式)は有価証券等に該当し、その評価額が1億円以上であるため、Aさんは出国税課税の対象者となります。

 

■2015年6月30日以前の贈与

①所得税:なし(出国税の適用なし)

②贈与税:Bさんが約1.6億円を納付

(3億円-110万円)×55%-640万円=約1.6億円

※贈与者のAさんが日本居住者のため、Bさんは国外財産の贈与についても納税義務があります。

 

■2015年7月1日以降の贈与

①所得税:Aさんが約3,100万円を納付(出国税の適用あり)

{3億円-1億円}×15.315%(※)=約3,100万円

(※) 当面、住民税の課税はなく今後の検討課題とされています。

 

②贈与税:Bさんが約1.6億円を納付

(3億円-110万円)×55%-640万円=約1.6億円

※贈与者のAさんが日本居住者のため、Bさんは国外財産の贈与についても納税義務あります。

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