アルツハイマーで記憶をなくした妻に尽くす夫の愛情
結婚当時の誓いを頑なに守り、アルツハイマーで記憶をなくした妻を献身的にサポートする夫の愛情が素敵なタイのCMをご紹介します。(動画あり)
「君は僕を覚えていられない。でも、僕は君の全てを覚えている」
アルツハイマーとなった妻は目の前の人が夫であることも、名前すらも忘れています。
でも夫は、妻の全てを覚えています。
妻は植物が好きで、青色が好き。靴のサイズ、寒がり、でも冷たい水が好き。食事の時にかける好きな音楽も、夫は覚えています。
散歩好き、笑い上戸、几帳面。きれい好き、ひょうきん、愚痴っぽい、怒りっぽい妻。
結婚した7月6日、あの日に誓ったことを夫は忘れません。
「君を命あるかぎり守っていく」
二人にとって深い思い入れがあるはずの曲で妻をダンスに誘います。
まるで幸せの絶頂にあった愛を確かめるように。
夫の名さえ忘れた今、同じ曲で踊る二人。妻のステップも息が合っています。
妻は楽しく過ごした日々の記憶を思い出してくれるでしょうか。
踊り終わって妻から一言、「あなた誰よ?」
がっくりとうなだれる夫。それでも妻への愛は変わりません。
「散歩? 疲れないの?」
「うん」
何気ない会話ですが、返事をする夫に浮かぶ表情は何かを感じているようです.
一見すると認知症の妻を淡々と介護する夫という、虚しい夫婦生活のようにも思えます。しかし妻の何気ない一言一言に対して、夫が感じているであろう様々な気持ちがひしひしと伝わってきます。若い頃から今まで何十年も二人一緒に過ごしてきた記憶が、夫の心に去来します。
愛情を与えて尽くし続ける夫はとても幸せそうに見えます。そして、それは気づいてないだけで、妻も同じかもしれませんね。