退職金の使い道としてマンション投資の検討と比較
都内の新築ワンルームマンションに投資しませんかという勧誘が時々来ます。低金利ローンなので家賃と支払いが差し引きプラスになり、しかも完済後は丸々財産になるという触れ込みが多いです。
不動産投資はよくわからないのでよく話も聞かずお断りしていますが、老後の年金代わりになるということで定年も近いため興味が湧いてきます。もうすぐ貰える退職金の使い道として、貯金ではなく何か形のある資産を購入することも考えています。
60歳を前にして、このような不動産投資を検討しても大丈夫ですか。
神奈川県在住、男性 (59) 独身
いただきましたご質問の内容をひとつずつ整理させていただきます。
低金利ローンなので家賃と支払いが差し引きプラスになり、しかも完済後は丸々財産になるという触れ込みが多いです。この文章では主に2点において注意が必要です。
1つ目は、「低金利ローンなので家賃と支払いが差し引きプラス」
この中の"支払い"との文言については、ローンの返済分との意味でして、毎月の収支を見極めるためには、家賃収入からローン返済分とマンション管理費とマンション修繕積立金と損害保険と固定資産税などを差し引いたあとの収支がプラスであることの確認をすることが有効です。
収益額 = 家賃収入額 - ローン返済額 - 管理費 - 修繕費 - 損害保険額 - 固定資産税等
つまり、家賃からローンの返済を差し引きプラスであっても総合的には赤字になることもあります。
2つ目は、「完済後は丸々財産」との文言です。
たいていの場合、投資マンションのローンの返済期間は35年です。35年後は、そのマンションの価値は新築時に比べて大きく値下がりしています。
35年経過したマンションは対して財産にならない場合も多々あります。2000万円程で購入したマンションの価値が、35年後に700万円まで下がったとの事例もあります。
こちらについては、20年ほど経過しても価値が落ちないマンションの事例もありますので、購入するマンションの立地と建物の質についてもよく吟味する必要があります。将来価値がなくなるものを購入しないように注意しなければなりません。
また、ご年齢が59歳とのことでして、35年後のローン完済時は94歳の年齢です。35年の期間の途中、総収益が大きくプラスになる物件であればよいかもしれませんが、35年後の資産価値についてはご自身の年齢を考慮に入れておいたほうがよいかと思います。
「老後の年金代わり」を目的とするのならば、ワンルームマンションの投資においては特に注意が必要です。マンションの立地や建物本体そしてマンションの管理組合の質の良さなど、マンションと言っても優良物件とそうでない物件が入り混じっています。
若い年齢ならば、不動産投資に失敗をした分を必死に働くことで取り返せる可能性があるかもしれませんが、不動産投資について熟慮していない状態で、自己ノルマ重視の営業マンの安易なトークに載せられて購入するのだけは避けてください。
しっかりと不動産の勉強をして、十分な知識を身につけて、不動産投資に立ち向かえるのならば成功を掴める可能性があると思います。
また、ワンルームマンション以外にも年齢に限らず毎月の収益が大きく出る不動産投資もあります。ワンルームマンションだけでなく、広い視野で不動産投資を比較検討されるとよいと思います。
以上を参考にして、検討を重ねてもらえれば幸いです。
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