マイナンバーで相続税はどう変わる? 具体的な変更点 (広島県、女性、独身)
マイナンバーが始まって、贈与税で扶養関係や財産管理の把握がされやすくなるなど注意する点があることが分かりました。
ところで、相続税についてはどうなんでしょうか。マイナンバーが始まって、何か変わるのでしょうか。今までの相続と異なる点があれば知っておきたいです。
・広島県在住、女性 (55) 独身
平成28年1月から、社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現することを目的として、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)が導入され、日本に住む全ての人の社会保障と税金に関する情報が共通の番号(マイナンバー)で管理されるようになります。
ご相談の相続税についての影響はどうなるか?
結論としては、個人の財産と申告内容の紐付けがかなり容易になることで、申告漏れがあったことによる税務署の確認漏れがかなり少なくなることが予想されます。ということは、相続税申告を行った後に税務署から財産の申告漏れがあったとして、修正申告・追加納税が要請されるケースが増えることになります。
相続税の税務申告は平成28年1月以降に発生したものから、申告書にマイナンバーを記載しなければなりません。また、所得税や贈与税も同様に申告書にマイナンバーの記載が必須になります。そして、平成33年からは預金口座、証券口座もマイナンバーが義務化になる為、個人の様々な所得を税務署は一元管理できるようになり、財産内容がほとんどガラス張りになることが想定されます。これまで税務署は、個人の所得や生前贈与を全て把握することができず、税務調査においても財産の申告漏れや贈与税の申告漏れを指摘できずに終わっていたことが多かったようです。
マイナンバーが導入されれば、税務署は申告漏れを大変把握しやすくなります。
例をあげると、以下数点が考えられます。
専業主婦などで収入は少ないのに金融資産が多い
⇒預金口座や証券口座を調べることで、誰から送金されているか、贈与されているかの把握が容易になる。
預金や財産の生前贈与
⇒110万円超の贈与を行ったが贈与税申告をしていないことの把握が容易になる。また110万円以内の贈与行為も把握でき、贈与が法的に成立していない場合は、名義預金や名義財産と捉えられる。
相続3年以内の贈与
⇒相続開始日から3年以内の贈与は相続財産に持ち戻しになります。この申告漏れは非常に多く、税務署がこの把握をし易くなります。
相続に関して期待される点は、相続申告、金融資産の名義変更や不動産の登記変更などの各種相続手続きにおける事務手続きが簡素化されることです。どの手続き1つとっても、申請書類の提出や謄本等の公的書類の提出は非常に煩雑であり、特に高齢者にもこの煩雑な事務手続きを厳格に要求している現状が、マイナンバー導入により手続きの簡素化、時間の短縮とスマートになるべきでしょう。
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