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通販で注文したクリスマスプレゼントが原因で別れたら?(長崎県、男性、会社員)

質問

銀婚式とクリスマスが近かったため、感謝を込めて名入れしたマグカップをサプライズで注文しました。

予定通りクリスマスイブにプレゼントが到着し、そのまま相手に渡しました。

ところが開封してみると、業者のミスで別の人の名前が刻印されていました…

誰なの? と誤解されて喧嘩、熟年離婚するハメに。法的に何かできることはあるでしょうか。

 

・長崎県在住、男性 (53) 既婚、会社員

 

専門家の回答

今回の問題は、クリスマスプレゼントのネームに誤りにより、業者に何らかの責任追及ができないかということです。

 

クリスマスプレゼントは、遅くともクリスマス当日までに納品しないといけないと考えられますが、おそらく今回のケースでは既に再度製作して名前を入れるなどということはできないでしょうから、いわゆる債務不履行ということになります。

 

さらに、今回はそもそも一度間違った名前のものを相手に渡してしまっていて、取り返しがつかない状況になっています。その意味でも完全な履行がなされていないという意味で、債務不履行となるでしょう。この場合、ご質問者としては、この契約に基づいて支払った金銭の返還を求めることができると考えられます。

 

また、名前の刻印が入っていることからすると、プレゼントとして渡すことを業者としてもわかって販売していますので、これで失敗すれば精神的苦痛を受けることも予見できたと考えられます。

 

そのため、ご質問者としてはこの苦痛に対する慰謝料も請求することができると考えられます。ただ、この慰謝料は、あくまでも名前を間違ってしまったことに対するものであるため、数万円程度と低額になる可能性がありそうです。

 

では、今回のケースでは、名前の間違いで離婚までいってしまったのですから、離婚したことによる精神的苦痛に対する慰謝料を請求することはできないのでしょうか。

 

結論から申し上げると、これは極めて難しいと言わざるを得ないでしょう。

 

業者からすると、名前の刻印を間違ったとしても、これによってカップルの仲が悪くなってしまうことは予見できるかもしれませんが、まさか離婚することまで予見することはないといえます。

 

日本の法律では、仮に損害が発生したとしても、これについて予見できるような程度のものでない限り賠償責任はないとされていますので、今回のケースは離婚に対する慰謝料までは難しいケースとといえるでしょう。

 

回答者

石塚 慶如いしづか やすゆき

弁護士

弁護士(札幌総合法律事務所・札幌弁護士会所属)
相続や遺言、財産管理など、資産の承継や維持に関する業務のほか、離婚などの男女間紛争、交通事故など、様々な分野で活動をしている。
また、企業法務や紛争予防型の法的サポートも実施しており、個人・企業を問わず活動している。最近では、法教育活動にも力を入れており、一般市民や学生に向けて法的な考え方を学んでもらう活動も熱心に行っている。

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