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久しぶりの新人営業マン指導を行って

 

 営業職の場合、大抵は3,4年先輩が新人営業マンを引き連れて

新人の紹介を兼ねての挨拶回りをする中で話の切り出し方や商談の順番などを

「やってみせて」実地訓練としたり、移動中の車内、電車内等で先方の

担当者の癖や人となりを伝えたりすることで予め対応の方法を考えさせたものです。

 

 それが、肝心の4年先輩自身がコロナによってそういう体験が皆無なまま

社歴だけは中堅の入り口に差し掛かったのです。

 

 実態は新人営業マンと同じ状態なのに、会社からは指導役として期待される。

お互いが手探りでの対面営業の再開となったのです。

 

 実際、何名かの若手、中堅セールスとの聞き取りの中で

 

「どういう話から始めればいいのか分からない。」

「いきなり数字を持ち出して商談を始めていいのでしょうか?」

「世間話から始めろと言われましたが、どんな世間話をすれば?」

「その前に電話でアポを取るのが苦痛です、メールじゃダメなんでしょうか?」

 

  昭和の営業を経験してきた私からすると想定外の問題提起でした。

 

 ですがいろいろ内情を聞くに、納得出来る背景も理解出来ました。

4年目の中堅を指導するはずの年代はまさに営業部隊の主力です。

直接訪問解禁となって今までの分を一気に取り戻す、他社の売り上げを

少しでも奪い取るために担当する得意先(当然それなりの規模の得意先です)に

全力投球です、後輩への援護射撃迄手が回らないとのことでした。

 

 結果として「自分で考えろ」「習うより慣れろ」といった

まさに昭和の指導方法が、本意ではないでしょうが復活していました。

 

 私が個人的に気になったのはアポ取りの恐怖心?とでもいいましょうか

電話をかけた際の挨拶自体がまず自信がないというものでした。

 

 これもシミュレーションをしてもらったのですが、

「自分の名乗りをしない」「先方の担当者名を忘れた」「いきなり用件を切り出した。」

などなど、見ていても気の毒なほど緊張感があふれ出していました。

  

 加えて、実際の経験談の中では

何とか先方にアポを取って出向いたものの、コロナの影響もあってか

最近はフロア外の廊下に電話機が設置され、そこから内線番号で担当者を呼び出す

といった受付がかなり浸透しているようです。

 

 ここでも前任者からはフロアに入って受付の女性に要件を伝えればいい、

と言われてきたら、コロナ前と様変わりした対応に戸惑ったり、

「営業の〇〇さんだ、ひとりしかいないから名前を言えば伝わる。」

と言われて出向いてみたら、先のようなフロア外の電話での呼び出しに替わっており

さらに営業部署も「〇〇営業」「営業〇課」「〇〇担当」と細分化された表記で

当然個人名などは表示されておらず、電話機の前でフリーズしてしまったそうです。

  

  私のような性格ですと、一番上の内戦にかけてアポを取った方の名前を

伝えて転送してもらうことなど全く苦にならないのですが、今は違うようです。

 

 結局前後2回の打ち合わせの段階で新人営業マンの指導だけでなく、

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