2015年 金融市場はどう動くか?
ユーロ圏の失業率は、全体では11.5%(10月)という依然高水準のままで推移しています。特に25歳以下の若年層の失業率がユーロ圏全体では23.5%に達しており、スペインに至っては53.8%と未曾有の水準となっています。
4.中国、ロシア、ブラジルなど資源国、新興国は?
最近の原油価格の下落は、世界経済に大きなインパクトを与えています。これは来年も継続し、資源国の下振れリスクとなる最大の要因です。
中国は、「習近平=李克強」ラインが成長至上主義から離れて以来、GDP成長率の鈍化が続いています。無理な経済成長に頼らず、現実的な線で経済政策を進めることは、一方では評価されますが、再び2ケタの経済成長に回帰することの難しさを顕在化しました。
一時、大きく取り上げられた「シャドーバンキング(影の銀行)」の問題は、最近鎮静化していますが、不動産投資に対する中国政府の規制強化、緩和と政策が目まぐるしく変化し、政府も時限爆弾の扱いに苦慮している様子が見て取れます。OECDによる2016年の見通しでは、6.9%と7%を切る予想がでており、中国経済の失速が世界経済に大きな影響を及ぼす可能性があります。
鉄鉱石、原油などを産出する資源国は、2015年も大きな試練に直面するでしょう。まず最近の原油急落の影響ですが、減産を見送ったOPEC(石油輸出国機構)は、2015年の原油需要の見通しを日量2,890万バレルと下方修正しました。アメリカのシェールオイル革命により、産出量が増えたにもかかわらず、サウジアラビアが減産に踏み込まず、供給過多になったのが、直接の原油価格の下落要因です。サウジが石油戦略を価格維持からシェア確保へ転換すると、原油価格の下落基調は長期化すると見る必要があるでしょう。
これにより、ロシアのルーブルが対ドルベースで大幅安になり、2015年はロシア経済発の世界的不況が、大きな不安定要因となることも要注意です。
一方、この原油安は日本経済のとっては、プラスに働くことは間違いないでしょう、内閣府の試算でも、原油3割下落の際には、実質GDPが1年目+0.33% 2年目+0.57% 3年目+0.24%の押し上げ効果があるとしています。さらに賃上げにも好影響を及ぼすこととなれば、大型補正予算による景気刺激策並みのインパクトがあります。原油価格の下落は、日本経済にとって「神風」となる可能性も想定できます。
5.FRB、日銀など中央銀行の金融政策は?
いうまでもなく2015年最大の注目ポイントは、FRBの利上げ時期です。アメリカ経済が現在の好調な状況を維持して行くなら、利上げの可能性は高いと思われます。ここで大事なことは、利上げのタイミングだといわれています。NY連銀のダドリー総裁は「早すぎる利上げ」と『遅すぎる利上げ』では、明らかに前者のリスクが高い、と言っています。イエレン議長も、そのあたりは良く考慮しているようで、自分の発言がマーケットに与える影響を十分知っているようです。2015年中の利上げの可能性は高いですが、その時期はマーケットコンセンサスの年央より、後にずれ込むシナリオも考えておくべきでしょう。
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