一生付き合える最高の椅子に望む3つの条件と創り方
晩年まで愛用する椅子には、理由があります。お洒落、高機能、高級感など人によって欲しい椅子は様々。身の回りに豊かさを求める人なら、日々使うモノほどこだわりたくなるでしょう。
シンプルライフやセレブリティに左右されず、椅子は万人が共通して生涯使い続ける家具の一つ。だからこそ追い求めたい、単なる家具以上に価値のある椅子を手に入れる上で押さえておきたいポイントがあります。
膝、腰、首へ最大限のケア
年齢を重ねるほど、座っている時間は長くなりがち。特に腰。体力労働でもオフィスワークでも、一定の年齢を経て知らず知らずのうちに腰へ蓄積された荷重は少しづつ関節周辺を圧迫していき、それが突然決壊したある日、体に合っていなかった椅子の形が原因だったことに気付くのです。
人間工学に基づいた多機能デスクチェアに絞り込んで探せば、比較的簡単に身体に良い椅子が見つかります。値段は多少張っても腰椎や肘肩へのダメージが軽減されて作業の能率が上がるのなら安いものですよね。
良いメーカーになると数年の無償保証が標準で備わっています。機能美、という価値もあるように、一見無機質な椅子を仕事用と割り切って壊れるまで使っていたら数十年座り続けていた、そんな椅子もまた一生モノと呼べるかもしれません。
家とインテリアに溶け込んだ調和性
オフィスチェアが畳和室にそぐわないように、単体で如何に卓越したデザインであっても周囲との調和が取れていなければチグハグな違和感を与え、それは座る人の居心地の悪さへと伝わります。先ほどの例えは極端な例で、実際の日本における住環境は画一的ではなく和洋入り混ざったイメージを有しています。
それに加えて住む人の趣向があり、家具製品が主張する独立したコンセプトがあり、年月による風化が醸し出す変化し続けるテイストが一つ屋根の下に集まっています。
何年、何十年も同じ人に座り続けられた良質な椅子は、その周りにある机や本棚、カーテン、照明と共に、あたかもそこにあって当然のような雰囲気の中に存在しているものです。より座りやすくするには床に何を敷いたら良いか。椅子の肘掛けが傷まないように机の一部分をDIYしてみようか。
持ち主が様々に試行錯誤しながら使い続けた結果、高級感が失われたりオシャレなデザインではなくなるかもしれません。それでも座る本人にとって満足感を伴ってしっくり来るなら、その椅子こそが追い求めていたベストの形。
自分の内面を反映したデザイン
容姿や経済力が優れているからといって全ての恋愛がうまくいくとは限らないように、機能性と装飾性が高い椅子であってもどうしても座り続けたいと思えないとしても不思議はありません。