81歳の日本人女性がゼロから5ヶ月で作ったiPhoneアプリがすごい!
いるところにはスゴイ人がいるものです。81歳で心身ともに健康というだけで驚きですが、なんと知識ゼロの素人状態からプログラミング言語を覚え、わずか5ヶ月でiPhone用ゲームアプリをリリースするに至った日本のスーパーおばあちゃんを紹介します。
アプリを通じて自己実現できる
次に作りたいアプリを「シニア世代が喜ぶ、日本の伝統や文化を次の世代に伝えられるようなアプリにしたい」と語る81歳プログラマー若宮正子さんが今なお邁進するプロジェクトのコンセプトは「親子3代で楽しめるゲームアプリ」だそうです。親子2代ではありません。親と子と孫、接してきたIT環境が全く異なりデジタルデバイドが生まれざるを得ない3者だからこそ、遊べるアプリは共通の題材でシンプルなゲーム性が望ましい。初めて雛壇の意味を理解した幼稚園児も、初めてスマホを触るおばあちゃんも、みんなで一緒にワイワイ楽しめる作りになっています。
ひな壇並べゲーム「hinadan」は、形にしたかった自分のコンセプトを実現できているといえるでしょう。プログラミング言語の習得に資金も若さも要りません。必要なのは根気と情熱だけといっても過言ではなく、80代を迎えてもまだまだ世の中にコミットできる可能性があると教えてくれる事例です。
プログラミング学習に年齢制限はない
職業上、コーディングを主業務とするプログラマーは平均年齢が比較的低めで、開発現場では20代から30代が大勢を占めています。そうなってくると囁かれるのが40歳定年説。中には40歳を過ぎてもコーディングを続ける人もおられますが、どちらかというとリームリーダー寄りのマネージャー業務に傾いていき、やがてプログラムを直接書くことはなくなり設計や運用を担う、そんなキャリアを辿る人が大半。第一線を退くと、新しい開発言語やアルゴリズムに直接触れる機会も減って徐々にプログラミングから疎遠になっていくものです。
40代50代のIT業界経験者でさえ、今から最新のiPhoneアプリ開発言語(Swift)を新しく覚えて5ヶ月以内に開発完了し、AppStoreにリリースしようと言われて、果たして達成できるかどうか。衰えたスポンジの吸水力は20代30代の若い人とは比べるべくもありませんから。にも関わらず若宮さんの事例を知ってしまうと、年齢の限界は幻想だということ、新しい頭脳労働であるプログラミングには年齢制限がないという現実を突き付けられます。これは何歳になっても世界にインパクトを与えられるアプリを作れる、という明るい希望であり、アップルのCEOティム・クックも若宮さんとの会話の中で「我々は勇気づけられました」と感動を表していたそうです。
大きく離れた年上の発想は若者にとって新鮮に映る
正直に申し上げて、ひな壇は一番上が向かって右にお雛様、左にお内裏様という他は並び順の記憶が曖昧でした。2段目、3段目に何の人形がどのような順番で設置されているか、正確に当てられる方はすごいですね。60代、70代にもなると常識なのでしょうか。
改めて考えてみると、年に一度のひな祭りで物置から引っ張り出してくるひな壇は、誰しもが何度となく目にしたことがあるのに極めてうろ覚えなモチーフだといえます。それをゲームにしてみようという着眼点がまずすごい。日本には20代30代のゲームアプリクリエイターが多数おりますが、「ひな壇」そのものをゲーム化するという発想はとても新鮮に映ります。
何歳になっても遅すぎる挑戦というものはない
81歳でアプリストアデビューする人がいるのですから、90歳で出来ない理由もありません。結局、何歳になってもヤル気次第では可能なんですよね。65歳でリタイアしたあと畑違いの分野に挑戦、その後はどれだけモチベーションを維持できるかにかかっています。目標がない、という方は続けながら徐々に絞り込んで定めていくのでも問題ありません。具体的なほど達成感につながって良いでしょう。
最高齢の逆もまた真なり。日本には例えば若干10歳でプログラミングコンテストに優勝し、14歳で3社のベンチャー企業にコミットしたスーパー中学生が実在します。早すぎるということもないのです。世界は広い、とりわけIT業界は、とよく聞きますが、日本も十分に広く深いポテンシャルを秘めていると気付かされる偉業のご紹介でした。