短い賞味期限と高い希少性。ご当地限定スイーツの現地でしか食べられないプレミア感
ネット通販が発達し、スマホから注文すると何でも即日配達。近所では買えない高級なご当地食品を通信販売で「お取り寄せ」してプレゼントすると間違いなく喜ばれます。しかしどんなに地域限定が謳われる商品でも、ネットで誰でもすぐに購入できるなら特別貴重ではありません。
自宅にいながらにして世界中のモノが手に入る便利な世の中になればなるほど、実際に現地へ赴かないと味わえない本物のご当地限定グルメの価値が増してきます。
一般的な品薄販売とは違う本物の希少性
多くのスイーツは冷凍または常温での輸送が可能な状態で開発販売されています。遠隔地からアイスクリームをチルド配送でお届けするお店は珍しくありません。良質な商品を日本全国に提供できる形にして販売エリアを可能な限り広げるのはビジネス上、当たり前のことです。
全く逆に、あえて販売場所を少なく限定することでプレミア感を煽り、話題性を高める売り方もまたマーケティングの一形態。特定の店舗限定商品にする、販売期間を三日間など短期間に区切る、販売数量を極端に少なく用意するなど。発売直後に売り切れ続出を演出してニュースに乗せる品薄商法は、消費者にとってメリットが無いため良い印象を受けません。
意図的に短くたのではなく、本物の美味しさを追求した結果にこそ希少性が宿ります。持ち帰りも出来ないほど極端に少なくなった賞味期限で提供される激レアスイーツを追い求めてみましょう。
岩シュー 賞味期限1時間
知る人ぞ知る賞味期限が脅威の1時間しかないシュークリームが、北海道せたな町にある「甲田菓子店」で食べられます。
香ばしいシュー皮の中にパンパンに詰まったクリーム。焼きたてのシュー皮を用意しておき、注文を受けてから中にクリームを注入して提供されます。皮の薄さゆえ、出来上がってから一時間を超えるとクリームの水分を吸って柔らかくなってしまうのだとか。
せたな町は札幌からも函館からも結構な距離があって、電車が通っていません。バスか自動車でしか行けない場所にある、日本中のスイーツ好きを唸らせる究極のシュークリーム。実際に食べてみないと、この貴重な美味しさは伝わらないでしょう。
水信玄餅 賞味期限30分
水ほどに透明。こんなにも食べ物っぽくないミステリアスな和菓子が今まで存在したでしょうか。ここでしか食べられない上に期間限定販売。目を奪われるように透き通り驚くほどプルプルな質感の水信玄餅が、お持ち帰り不可な理由が気になりますね。
運搬や日保ちといった一般的に考慮されるべき販売条件を一切無視して作られている金精軒の水信玄餅。常温で30分経つと水分が染み出し尽くして萎んでしまう儚い和菓子です。水分量が非常に多いため、僅かな揺れや衝撃で形が簡単に崩れてしまうのでお持ち帰りは物理的に不可能となっています。