【書籍紹介】死ねない老人
高齢者たちは、なぜ「死にたい」のか?「死にたい」と言わせないために、私たちには何ができるのか?
日本は現在、世界のどの国よりも早く「人生90年、100年」という時代に突入しています。 しかし一方で、自身の長寿を喜べない高齢者も増えています。大きな病気もなく、経済的にも家族関係にも恵まれている人であっても、「死にたい」という思いに駆られる例が少なくないのです。
本書は、埼玉県川口市で高齢者医療に25年以上携わる著者が、増え続ける「死ねない老人」の実態を解説したうえで、その背景や解決策を提示しています。高齢者が人生の集大成ともいえる時期を充実して生きるためには何をすべきなのか。また高齢者本人の意思が尊重される医療や最期を叶えるために、家族や社会で行える対策にはどんなものがあるのかも解説されています。
contents
第1章:増え続ける「死にたい老人」の実態
第2章:生きていく理由を見出せなくなった「死ねない老人」
第3章:望まない延命治療が生み出す「死ねない老人」
第4章:高齢者が生きがいを持ち続けるために必要なこと
第5章:「望みどおりの死」を叶えるために社会で取り組むべきこと
著者
杉浦敏之(スギウラ トシユキ)
1988年、千葉大学医学部卒業。千葉県救急医療センターに勤務後、千葉大学医局研修を受け、千葉大学大学院で医学博士号取得。さいたま赤十字病院に勤務し、2003年より医療法人社団杉浦医院院長、2004年より同医院理事長。日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。埼玉県立大学、上尾中央看護専門学校で講師を務めている。大学卒業以来25年以上にわたり高齢者医療に携わっており、地域医療を充実させるために末期がん患者への在宅医療も行う。