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【季節の落語1】春の噺

 

落語には季節の根多があります。その季節にも当然演じられますが、季節を先取りしてひと月前辺りから演じられる事があります。

 

今回は春の噺を幾つかご紹介したいと思います。

 

『長屋の花見』

大家さんに呼ばれた長屋の連中は店賃を随分溜めた者もおり、店賃の催促かとおっかなびっくり大家宅を訪ねると、大家さんから「酒三升とかまぼこと卵焼きを支度したから、みんなで花見に行こう」と誘われて大喜び。しかし、よくよく話を聞いてみると、酒は番茶を煮出して水で割った「お茶け」、かまぼこは月型に切った大根のこうこ、卵焼きはたくあん。ガッカリしながらも「行くって言っちゃったし、やけくそだから行きます」と長屋一同で上野の山まで出掛けていきます。毛氈(もうせん)の代わりにムシロを敷いて、お茶けと漬物で花見が始まりますが、とにかく噛み合わない大家さんと長屋の連中のやり取りが可笑しい噺です。

 

『あたま山』

ケチな吝兵衛さんがサクランボの種を吐き出さずに呑み込むと、やがて頭に桜の木が生えてきて、「頭山」と呼ばれる様になり、大勢の花見客がこの桜の下でドンチャン騒ぎ。うるさくて敵わないので、桜を引っこ抜くと頭にポッカリ大きな穴が開いてしまいます。この穴に雨が降って溜まると、やがて魚が湧いて今度は釣り人が大勢やってきて頭の池で釣りを始めます。あまりの煩わしさに吝兵衛さん、とうとう自分の頭の池に身を投げて…。

吝兵衛さんの頭に花見客が訪れたり、釣り人がやって来る、伝説の様な大らかな雰囲気のある不思議な根多です。

 

 

『花見小僧(『おせつ徳三郎・上』)』

とある大店の娘・おせつは何度も見合いをしているのですが、色々と理由をつけては断っております。何とか縁談を纏めたいと旦那が困っていると、番頭が「お嬢様には悪い虫がついていると思いますんで…」とご注進。「実は徳三郎という店の若い者とおせつがいい仲になっている」と聞いた旦那は、当人から直接問いただすと言い出しますが、番頭さんは「本人は恐らく認めないでしょう。去年の春に花見に同行した小僧の定吉が一部始終を知っているので、聞いてみては」と入れ知恵をします。呼び出された定吉は、始めは口を割ろうとしませんでしたが、「子供の物忘れにはお灸が効く」と脅されたり、年に二度の宿りを月に一回に増やしてあげるし、小遣いも増やすと言われて口を滑らせてしまいます…。

 

『花見小僧』は『おせつ徳三郎』という噺の前半部分です。後半は『刀屋』として、やはり独立させて演じられる事があります。

 

『百年目』

 

他の奉公人に厳しい番頭さんには裏の顔が。店では堅物で通っていますが、実は相当な遊び人。店の者に得意先を回って来ると言って店を出ると、金の掛かった粋な服装に着替えると、屋形船に乗って幇間や芸者たちと向島まで花見に出掛けます。船の上で酒も飲んで、向島の土手で長襦袢一枚になって扇子で顔を隠して芸者たちと鬼ごっこ。一方、旦那は医者と共に向島に来ており、番頭さんに似た人が陽気に騒いでいると思っていると、芸者と勘違いした番頭さんに抱き付かれてしまいます。…旦那に抱き付いた番頭さんの運命や、如何に?

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