マイナンバー制度って?
例えば,「齋藤さん」という方の地方税を正確に把握しようとしても,勤務先では「齊藤」,副業の個人事業では「斉藤」などと微妙な文字の違いがあると,それぞれが同一人物であるか把握することができません。そのため,このような問題がない12桁の数字で把握することになっているのです。
今までの話を聞くと,申請のたびに紙製の通知カードと運転免許証を持参して役所などに行かないといけないこととなり,また,通知カードを紛失してしまうこともあるかもしれません。より申請を簡便にするため,個人番号カードと呼ばれるICチップ付きの顔写真付カードの発行を申請することも可能です。このカード1枚で各種申請ができ,しかも公的身分証明にもなるとされています。
3 マイナンバー制度の影響(中小企業編)
では,中小企業の経営者にとって,マイナンバー制度の影響はどのようなものなのでしょうか。
具体的にいうと,平成28年1月1日以降に起こった採用,離職などの際に,必ず従業員の個人番号が必要となります。また,従来からいる従業員に対しても本人確認をしないといけないことになります。
前者については,会社が平成28年1月1日以降に従業員を採用して社会保険や厚生年金に加入する手続などをとる場合,従業員の個人番号を入手してこれを健康保険組合や日本年金機構などに提出しなければなりません。その前提として,通知カードと運転免許証などを持参してもらい,本人確認と番号確認をする必要があります。
さらに,個人番号は重要な個人情報であるため,従業員の個人番号を取り扱う担当者を特定し,これらの情報が流出しないような仕組みを作る必要があります(具体的な方法については,従業員の数や株式上場の有無によって異なります)。
また,従来から勤務している従業員に対する本人確認も必要となります。採用にあたって免許証等の公的証明書の提示を受けて本人確認している場合にはさらに本人確認する必要はありませんが,多くの事業者では履歴書記載の情報で本人確認を行い,その後に運転免許証などの提示を受けていないのではないでしょうか。この場合,マイナンバー制度が予定している本人確認のレベルに達していないことから,運転免許証などの提示を受けて,改めて本人確認を行わなければなりません。
4 個人情報保護法の改正にも注意が必要
このほか,今回のマイナンバー制度と関連して,個人情報保護法が改正されているところにも注意が必要です。
平成27年11月現在,過去6か月以内に保有個人情報の数が5000を1度も超えていない事業者は,個人情報取扱事業者に該当しません。そのため,これに該当しなければ,個人情報を取得する際に個人情報の利用目的を特定すべき義務や,個人情報利用目的を相手方に通知・公表すべき義務が免除されています。
しかし,平成29年に改正個人情報保護法が施行されますので,これによって,保有する個人情報の数が1件であっても個人情報取扱事業者とされ,個人情報取得時に利用目的を特定する義務や,個人情報利用目的を通知または公表しなくてはならない義務が発生します。
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