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両親が生前に希望していた実家の墓じまいの始め方

質問

父親が病気で亡くなりました。母親は存命で70代です。

母親に聞いたのですが、生前、父親は、男の跡取りもいなく、残った家族に余計な負担をかけたくないという事もあり、墓じまいをしたいと希望していたようです。

そこで現在、実家の墓じまいを検討しているのですが、墓じまいという仕組みも最近知ったばかりで全く詳しくありません。

気をつけるポイントを伺えればと思います。

よろしくお願いいたします。

 

埼玉県在住、女性 (54) 未婚、会社員

 

専門家の回答

まずはお悔やみ申し上げます。

さて「墓じまい」と言いましても、しまいっ放しには出来ないのが今の日本の法律です。

 

一度、墓や納骨堂に埋葬した遺骨を移動させる場合は「墓、もしくは納骨堂」に改めて埋葬する事が絶対条件になります。墓から出して、ご自宅に安置という事は出来ません。

 

ですから、この場合は「改葬」手続きとなり、簡単に手順を説明しますと以下の1)~8)の流れになります。

 

1) 新たに埋葬する墓(納骨堂)を確保します。

 

まず、新しい墓所の確保ありきです。これがありませんと市区町村役場は受け付けてくれません。また墓所の管理側は契約締結だけでは発行を渋ります。契約の「入金」確認後に発行すると思って下さい。 

 

2) 新しい墓所の管理人から「埋葬許可証/使用許可証」を発行してもらいます。


3) 現在の墓を管轄する市区町村役場から「改葬許可申請書」を取寄せます。(殆どは郵送での入手は可能です)

 

これは、遺骨1体につき、1通の申請が必要になるので、予め何体分の遺骨を移すかを確認しておく必要があります。


4) 現在の墓所の管理者(寺の住職や霊園の責任者等)から上記の「改葬許可申請書」に同意の署名と押印をもらいます。

 

最大のネックがここです。 先方からすれば「檀家」が減る訳で、あの手この手で翻意を促して来ます。話がこじれますと「離檀料」請求と言う手立てに出る事もあります。

 

要はこれまでずっと命日にお経をあげてきた、供花をした、墓の掃除をしてきたなどの理由から「それ相応の金額」を要求します。なかには「仏罰必至」等と言う心理的な圧迫をする場合もあります。


5) 埋葬許可証、改葬許可申請書の準備が調ったら管轄の市区町村役場へ提出して「改葬許可証」を発行してもらいます。


6) 遺骨の移動の際(墓じまい)に「閉眼供養」を行います。

 

墓じまいとはイコール墓石を撤去し、墓地を更地に戻す事を指します。撤去の工事業者の手配、日程の確認、墓石の処分法を検討します。また供養料として「お布施」「読経料」が発生します。


7) 新たな墓所の管理者に「改葬許可証」を渡し、遺骨を渡します。


8) 新たな墓所での「開眼供養」を行って、終了となります。

 

ここでも「読経料」「お布施」が発生します。

 

 

 

以上のように、お墓から遺骨を出す場合には、市区町村役場、墓所の管理者の承諾が必須ですが、新たに受け入れる側では市区町村は全く関与していません。

 

蛇足ですが、火葬後に遺骨を自宅に安置しているケースがあります。一度も埋葬していないのであれば、そのまま何年でも自宅の仏壇で安置しても何ら問題にはなりません。

 

あくまでも、いったん埋葬した場合は、上記のような煩雑な手続きを要する事になります。

 

回答者

寺田 淳てらだ あつし

行政書士

本来業務である墓じまいから改葬・エンディングノート・任意後見等の様々な終活のサポートに加えて、最近はシニアを中心とした起業・独立、再就職や転職を目指す方への事前のサポート業務を主としています。
どちらも「先憂後楽」のスタンスで事前の備えについて共に考えていきたいと思います。


寺田淳行政書士事務所 代表

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